アメリカ・海外のアニメ同人誌事情―スケブに課金するCommission制度…!?

日本最大のアニメイベント、コミックマーケットの二大目玉は、企業が公式グッズを売る企業ブースと、ファンが自らの漫画や本等製作物を売る個人ブースに分かれています。
アメリカのアニメイベントにも、勿論それと同じような企画・スペースがあります!
今回は、それらを紹介しつつ、アメリカの同人誌事情についても紹介出来たらと思います。

The two main attraction of Comic market, the largest anime convention in Japan is “industry booth” and “artist alley (doujinshi booth).”
Anime conventions in the US, of course, have similar attractions.
In this article, I gonna introduce the similarities and differences of these industry booth and artist alley in Japan and the US, especially the difference of doujinshi creation in both countries.

Artist Alleyと企業ブース(Exhibition Hall)

Artist Alley(同人誌エリア)

Artist Alleyは、海外のアニメイベントで大人気な企画!
こちらは日本での同人即売会と同じで、ファンが自分で作った、主に二次創作のグッズや同人誌を売っているスペースの事を言います。
ざっと見て回ったところ、売られているコンテンツの割合としては、
ポスター:ステッカー:同人誌:グッズ=4:1:1:4という印象でした。
Artist Alley is another really popular program in anime conventions!
It is quite similar to Japanese regular anime conventions. Fan artists sell their goods or books.
My impression of the product category is that
Poster : sticker : doujinshi(fanzine) : goods = 4 : 1 : 1 : 4.

artistalley

本というよりは、ポストカードやラミネカードが多かったです。

ポスターは一枚$10(1000円)くらい、同人誌にいたっては20p程のコピー本で$12(1300円)と、とにかく滅茶苦茶高いです。
(参考までに:日本の相場は、同人誌B5 36p 500円、ポスターは一枚500円くらいです)
ハイキューやペダルのカラーアンソロを出しているスペースもあったのですが、こちらは$25でした。ページ数はぱっと見36p位かな?矢張りお高め。
(参考までに:アンソロとは、「アンソロジー」の略で、複数のファンが短編を書いて一冊の本としてまとめたものを指します)
Posters were about $10 per each.
Doujinshi even costs $12. How expensive!!!
(In Japan, the price of poster is $5 on average, and so is the price of doujinshi.)

artistalley

ポスターはずらりと並べて売られています。1サークルあたりのスペースは日本の二倍くらいありました。
(ちなみに日本では一般に1スペースあたり幅90センチのところで各自が売ります)

「どこで印刷しているのですか?」と聞いてみたところ、
docuprintという会社名を上げる方がちらほらいらっしゃいました。
同人誌に特化しているわけではなく、普通のプリント会社のようですね。
When I asked the artists about which company they are using to print their doujinshi, some of them gave me a name “DOCU print.”
It seems they are not specializing in doujinshi, but a ordinary printing company.

自分でもネットで調べてみたところ、アメリカで同人誌印刷を行っているのは、Doujin Pressというところらしいです。
(ちなみに私がサーチエンジンから辿り着いた時は、トップが私の好きな黒バスの青峰と火神の同人の紹介になっていて、これが果たして各visitorに応じてカスタマイズされたものだったのか、それとも偶然なのかは分からず…)
ここは虎の穴さんの同人誌の輸入も取り扱っています。
値段は$20~$30。
日本の同人誌が$5~$10であることを考えると、約5倍の値段と言ったところでしょうか。

同人誌の印刷料金を計算してみたところ、36p100部で$250=25000円……あれ、思ったより安い!?
日本では、自分が普段使っている印刷所さんの格安セットで、同じ36p100部が25000円弱なので、ほぼ同じです!!
クオリティが同じかは分かりませんが(おそらく紙や印刷の質は日本より悪いかと)、金銭面だけで言えば印刷環境としては整っているようですね。
ただ、同人誌自体を出版する人が少ないので、まだまだ印刷産業自体の知名度は低いようです。今後のびしろがある分野かもしれません。
少し話が逸れますが、韓国や台湾でも同人誌印刷は盛んですが、ページの質などが矢張り日本の印刷技術の方が上回っている部分があるし、「日本の同人誌印刷」というと信頼度も高いです。
私は海外の同人作家さんが日本で本を出す手伝いをしたことがあるのですが、皆さん「さすが日本の印刷は違う!」と感動していました。
日本の印刷業社さんには是非海外展開も考えて欲しいものです……設備投資が必要なので難しいとは思いますが!
でも、例えば同人印刷大手の栄光印刷さんなどは、台湾進出もされているようですし、2015年3月にはOtaku Summitに合わせて海外作家さん10%off企画などをやっていたので、今後の発展に期待ですね^^

グッズ製作はむしろアメリカの方が普及しています。公式の販売チャネルへのアクセスが限られているので、自作する方が多いのでしょうか。ただ、自作と言っても、中には自分のイラストではなく、ネットから拾ってきた公式非公式のイラストを使って製作している場合も多く見受けられます…。
例えばこうしたサイトでの製作が可能です。
Artscow
試しに注文してみたところ香港から届いたので、香港の会社さんのようです。
イベントのArtist Alleyでの販売価格としては、ポーチが$10前後という感じでした。
日本では単体というより、同人誌を購入した場合のノベルティとしてつける場合が多いのですが、単体で買うとしたら値段はやはり$10程なので、こちらはそこまで価格差無しといったところでしょうか。
Fan art goods are more popular in the US than Japan. I guess since in America, there is less opportunity for fans to buy official products, so they tend to create their own?

artistalley

スイーツデコレーションが最高に可愛いスマホケース!

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こちらの方はジブリグッズを中心に素敵なレイアウトのブースを出店されてました。それにしても本当1スペースが大きい…!アメリカァ…!

artistalley

上のサークルさんで売られてたもの。ポストカードとか版画とかね。

artistalley

この丸いグラスにトトロとか入ってるのまるで公式グッズですね。

あと私が驚いたのが、commissionというものです。
これはいわゆる「スケブ」……アーティストが、ファンの要望に応じてその場でイラストを描いてくれるというもので、日本ではファンサービスのような感じで先着順、無料で行うのが慣習ですが、アメリカでは、なんと$20程とって行っているサークルさんが多いです。
確かにその方が本当に欲しい方だけが頼む形にはなるのだろうけれど、ファンとアーティストさんの心の交流としてスケブを捉えている私的には、ちょっと、う〜ん、と首をひねりたくなってしまいます…。値段が高めのせいか、全体的に商業的な印象を受けました。
(※2016/03/28追記:このCommisionについての詳細な呟き+まとめを拝見したので、シェアさせて頂きます!→一般人が絵師にお金を払って描いてもらう海外の文化、コミッションとは?

What surprised me was a commission at Artist Alley.
It is called in SUKEBU in Japanese, which is an abbreviation of sketch-book drawing (it is because in Japan, usually fans bring their own sketch book and ask artists to draw on it.)
In Japan, commission is for free. It is a part of fan service. But in the United States, the artists actually asked a money for it! $20 on average! Sooooo expensive!
Hmm… it makes sense because by doing so, only fans who are enthusiastic enough will ask artists, so artists are not bothered by light fans.
However, since I am used to SUKEBU culture in Japan and love it because it makes me feel like I can connect with the artists with heart by getting it as a gift from them, I don’t like fans paying money for commission…

絵柄的には、アメコミ要素が非常に強いです。独特の似顔絵的なタッチやグラマラス・マスキュリンな線。幼い頃アメリカアニメに親しんで、それから日本アニメに触れた人々の絵柄はこうなるのですかね。
In general, the arts I found in Artist Alley have American-comic elements, such as vivid color, masculinity etc. People familiar with American cartoons since their child-hood might draw these pictures.

企業ブース(Exhibition Hall)

企業ブースも、海外アニメイベントでは大盛況のエリアです。通常のアニメコンベンションではDealer’s Roomと呼ばれているところで、商業と大手のファンクリエイターが店を構えています。
商業と言っても、日本からアニメグッズを個人で輸入してマージンつけて売っているようなグレーの方々ですが!

exhibition hall

exhibition hallはこんな感じです。数年前からアメリカではアルパカのぬいぐるみが大人気です^^

大手のファンクリエイターというのは、コミケ三日目とかによくいる創作とかアクセサリージャンルの方々の中でも人気がある方々ですね。
私は鹿角カチューシャを買ってしまいました……未だに使い道見つけられてません……。でも可愛かったのだもの!!!!

鹿角…!!

これ、買ってしまった鹿角…!!

Exhibition hall is also called Dealer’s room in many anime conventions. Industry and popular fan artists have their booth here.
(I said industry, but in most case they are small business run by individual who imports anime goods from Japan and sell them with margin)
I bought an antler head dress here…is there any use of this? But I just loved it and I could not resist my own desire.

また、こうしたアメリカのイベントの企業ブースでは、アメリカでしか見かけることの出来ない公式グッズも売ってます!
特に多いのが、タペストリーや、肩掛けバッグにTシャツ。アメリカに本拠地を置く会社がちゃんとライセンスをとって作っているそうです。
これがその企業。
Great Eastern Entertainment
日本で売るにしてはちょっとチープに見えるかな?

Tapestries and shoulder bags are popular anime goods in the US, but actually in Japan, we don’t have these a lot. They are only produced in the US by a company called Great Eastern Entertainment. Their products are usually not available in Japan!!

それでは、次がPMXを例にしたアメリカアニメイベント紹介記事のラスト、ロリータファッションショーのレポートです!
今回も読んで下さり有難うございました、ではではアデュー!
Next article is the last article about PMX, and it is about Lolita fashion show!
Thank you for reading my article as always, and see you next time ^^

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