ヨーロッパでアニメといえばどこかと聞かれれば、フランスを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
少なくとも自分はそうで、フランス最大のアニメイベント、Japan Expoに行きたいという理由から大学の第二外国語でフランス語を選択した経験もあります。
Which country do you come up with as a “Country of Anime”? I think many people think of France. At least I was the one.
I even decided to choose French as my second foreign language in my university just because I wanted to go to visit Japan Expo, the biggest anime con in France.
そんな念願のフランスに、自分は2016年9月からその年の暮れまで、短い期間ながら留学しておりました。
現地で感じたフランスのアニオタ状況を、ここでまとめておきたいと思います。
目次 Index
①フランスアニメイベントガイド
②フランスParis Mangaレポート
③パリの秋葉原!?三大アニメスポット紹介
フランスアニメイベントガイド
フランスで最大のアニメイベントといえば、毎年7月頭に行われているJapan Expo。1999年より開催されており、2016年には23万5000人の集客を実現した、実に巨大なコンベンションです。
Japan Expoの他にもフランスでは沢山のアニメイベントが開催されており、自分の海外志向オタク仲間であるシュガー君(@sugar_ryugaku)が、かつて作成してくれたフランスのアニメイベント一覧によると、フランスでは大小含め年間50以上ものアニメイベントが開かれているようです(2016年3月4日時点)(但し、コミコンやゲームショーも含む)。
その中には、参加者数1万人を超える大規模イベントも15個ほど!
自分のフランス滞在時期が9月からの半年だったため、夏に開かれるJapan Expoへの参加は叶わなかったのですが、代わりに11月頭に開かれた、フランス第二の規模を誇ると言われる「Paris Manga」を訪問してきました。その様子をレポートしたいと思います!
(なお、Japan Expoへの参加方法は、Masakiさん(@masaki77)のこちらのブログに詳しいです→海外のイベントへ行こう!)
Paris Mangaは春と秋の年二回開かれる大型物販イベント。場所はパリの中心駅「Paris Montparnasse駅」からメトロ12番線で一本のPorte de Versaillesで開催されます。
入場料は当日券が一日14ユーロ、前売り券が一日13.5ユーロです。
コスプレコンペティションやクイズ大会もあるのですが、あまり企画数は多くなく、グッズ販売がメイン。
(これは古くからの参加者によると、Paris Mangaは商業主義に走った、とのことであまり評判が良くないようです……)
Paris Mangaは別名をParis Manga and Sci-Fi Salonとしているだけあって、アメコミ系の展示や物販も多め。
ステージは会場内に二つあり、一つはアメコミ用、もう一つは日本アニメ用に分かれています。
面白かったのが、コスプレショーの後に開かれていたカラオケ大会。アニメのOP映像が流れると、その作品のコスプレをしている人々が、アピールポーズを取りながらステージ前まで躍り出たりしていました。とにかく自己主張がすごい!見ている側も歓声で迎えたりして、会場全体がお祭り騒ぎ。
そして会場物販で気付いたのが、BL漫画の圧倒的多さ!これまで行ったどの国よりも堂々と、最新タイトルまで置いてあるのが腐女子としては嬉しいところ。
これらフランスのBL漫画は、ほぼ同じ出版社、「BOY’S LOVE IDP」が出しているようです。
人気BL漫画タイトルはほとんど翻訳されています。すごい!
同人グッズの販売ブースも5個ほどありました。
フランスのアニメ雑誌も会場販売されていました。
こちらはコスプレ用品としてのカラコンやウィッグの販売ブース。
個人的に面白いなぁと思ったのは、ドライフルーツの販売所が会場内にあったことです。
日本でも、スーパーコミックシティなど女性向け同人イベントではたまにドライフルーツ屋さん見かけるのですが、アニメイベントにつきものなのは全世界共通なのでしょうか……。
物販メインのイベントなので一般参加のコスプレイヤーは沢山、というわけではなかったのですが、そんな中でも見つけた素敵コスプレイヤーさんたちをご紹介します。
実は私自身もコスプレ衣装を持っていっていたので、せっかくだからとコスプレしてみました。着替えは会場のトイレにて。(もし万が一行く方がいたらの話ですが、メインホール内のトイレは蒸し暑いし混んでいるので、同じ敷地内の入り口近くにある売店エリアの地下にあるトイレがすごく綺麗で数も多くてすいているのでオススメです)
と、Paris Mangaはこんな感じ!面白かったですが、やはり物販メインであることは否めないので、Japan Expoや、Epitanimeというイベントの方が、より楽しめるかもしれません。
フランス・パリの三大アニメスポット
①カルティエラタン(Quartier Latin)周辺
カルティエ・ラタンはセーヌ川左岸にある昔ながらの学生街。南側には名門ソルボンヌ大学が位置しています。
エスニックフードのレストランなども多いこの通りには、漫画書店やフィギュアショップが多く並んでいます。
代表的なものがこのお店、「Album」。カルティエ・ラタン周辺に何店舗かあり、それぞれ漫画やフィギュアを取り扱っています。
また、その近くで見つけた漫画店「Hayaku Shop」は、ウィンドーに大きくヒロアカをあしらっていて目立ちまくりでした。
Hayaku Shopの隣には、スターウォーズなどをフィーチャーしたSFショップもありました!
界隈をふらふら歩いていれば、これらのお店はすぐに見つけられますので、散策のついでにどうぞ。
②サンミシェル(Saint-Michel)周辺
カルティエラタンの北側に位置するサンミシェル周辺は新品・中古漫画書店の宝庫。
ここにある書店、Gibert jeuneは黄色い看板が目印で、サンミシェルのランドマークである噴水近くに何店舗も見つかります。フランス漫画であるバンドデジネ(BD)も漫画も多くのタイトルが勢ぞろい。平日でもお店は大繁盛!
中古書店もあり、バンドデジネなどを格安で手に入れられるかもしれません。カルティエラタンから歩いてすぐなので、こちらも是非。
③ケレ通り(Rue Keller)
ケレ通りは上二つの場所からは少し離れたセーヌ川右岸、観光的にはバスティーユ広場からロケット通り(Rue de la Roquette)を真っ直ぐ行って右に曲がったところにあります。
ケレ通りは生成り色のアパルトマンに挟まれた何てことのないパリの通りの一つですが、通り沿いには多くのコスプレショップやゴスロリショップ、漫画書店にフィギュアショップが並ぶ、ちょっとしたアニメストリートになっています。
ケレ通りの外観はこんな感じ。
行ったのが夜だったため写真も暗くなってしまっているのですが、アニメやコスプレショップがいくつも並んでいます。
アニメショップの一つに入ってみると、キャラクター刀がずらり!
こちらは漫画書店。
続いてコスプレショップ「Black Sugar」にも入ってみました。
海外のアニメファンはなぜかKigurumiと呼ぶ全身コスチュームを好んで着るのですが、このお店にもそれらが沢山売られていました。
店内で売られているコスプレを見てみると、きちんとお店のタグがついていたのですが、自家生産しているのか、それとも購入したもののタグだけ付け替えたのか。多分後者でしょう。
さらにケレ通りを歩いていると、Cosplay Café「Kame’n Crea」というものを発見!
メイドさんっぽい格好の方がチラリと見えて、メイドカフェのコスプレ版かな?と思ってみると、どうもそうではないらしい。
その日は貸切だったらしく中には入れなかったのですが、外から覗いてみると、お客さんがみんなでコスプレや武器をを作っている様子が見えました。
カフェに併設されたコスプレ専用コ・ワーキングスペースだった模様。これは素敵だ!
Kame’n CreaのFacebookページはこちら。講師を招いての製作講座などを定期的に行っているようで、Facebookにも、コスプレの製作の様子などがアップされています。
ケレ通りからは離れますが、パリ市内にはBookoffも何店舗かあります。
日本のブックオフの100円コーナーのように、一冊2ユーロコーナーなどもあり、価格は結構お手頃。
またそもそもパリ市内には多くのBande Desinee(フランス漫画)を取り扱う書店があり、そこには絶対と言っていいほど日本漫画の棚もあります。
中には漫画のサンプル冊子がたくさん置いてあって、私が興味津々で見ていたら、お店の方が一式くれました^^
上の書店はケレ通りに行く途中のロケット通りで見つけたのですが、パリの主要駅モンパルナス駅の近くにもバンドデジネの書店がありましたし、パリを歩いていればどこにでも見つけられると思うので、フランス観光行かれる際には立ち寄ってみるのも楽しいかもしれません。翻訳漫画で好きなキャラクターがフランス語で喋っているの、なかなか萌えたりしません?
番外編
私がこれらのお店を訪れたのは2016年の12月だったのですが、丁度フランスでも当時日本で大ヒットした映画「君の名は」の公開直前だったということで、街頭広告やアニメ雑誌の表紙でもキービジュアルを頻繁に目にしました。
あとは妖怪ウォッチ!先日レポートしたスペインのイベントでも、妖怪ウォッチの欧州進出について書きましたが、パリでも人気上昇中らしく、現地の携帯会社とのコラボキャンペーンを行なっているのを見かけました。
また、先ほど紹介したカルティエラタンから近いマレ地区は観光名所やユダヤ人地区としても有名ですが、このマレ地区のショッピングの目抜き通り、「Francs Bourgeois通り」には、ユニクロや無印良品に加え、オタク女御用達のaxes femmeが店舗を構えています!左端の看板に注目!
しかもCHANNELの目の前!axesがすごいブランドに見える!
ちなみに全く関係ありませんが、マレ地区はゲイの町としても知られています。
町を歩いていると、ゲイの方向けのトイショップ(写真上)や、こんなファンキーなハンバーガー屋さん(写真下)まで見つけてしまったり。
というわけで、バナナがオチなのもどうかと思いますが、フランスのアニメ事情報告は以上です!
次回はアジアに場所を移し、ベトナムのアニメイベントとアニメ事情についてレポートしたいと思います^^
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