【超多国籍アニメイベント】イスラム圏ドバイ、MEFCC参加記②

Here is the 2nd part of the report of Dubai anime con MEFCC!
This is more data- oriented post about which nationality participants are and what kind of anime is popular in the Middle East. If you want to check more real experience report, please see the previous post.
引き続き、ドバイで開かれたアニメイベント、MEFCCの参加記第二弾です!

記事構成はこちら。
①ドバイのコミコンMEFCCとは
②ドバイのコミコン参加に至った理由
③現地からの生情報
④参加者100人へのアンケート結果に基づく中東のオタク分析
⑤中東とアニメの未来図
⑥ドバイの町中で見つけた「漫画寿司」!?

①〜③については、前回の記事で書いておりますので、こちらをご参照下さい!
この記事では、アンケート結果からうかがえる中東のオタク層と、アニメ企業がこれからどう中東市場と関わっていくべきかについて、書いてみたいと思います。

④参加者100人へのアンケート結果に基づく中東のオタク分析

今回、コミコンを訪れた約130名の現地参加者に、計28項目からなるアンケートを行いました。
未回答の質問があったり、我々のブースを訪れてくれたファンに偏りがあった(たとえば、私達がNARUTOのコスプレをしていたためにNARUTO好きの参加者がより多くアンケートに答えてくれる傾向があった、など)のは事実ですが、
中東のアニメファン市場を概観するための資料として一定の価値はあるものと思います!
その結果を元に、ざっくりと、「中東のアニメファンってどんな人達なの!?」というのを見ていけたらいいなと思います^^

まずは回答者の一般情報から!

Q1年齢グラフ年齢は15歳〜21歳に大きな山があります。
私の実感としては、日本のアニメイベントと比べると、海外のアニメイベント参加者は全体的に若い傾向があるように思います。
もっとも、欧米では、日本程ではないにしろ20代〜30代の参加者も結構多く、
これはそうした国の20代や30代が小さい頃テレビ放映でアニメを見る事が出来た一方で、
新興国では、アニメが放映されるようになった、あるいはテレビが普及したのが比較的最近のため、今の20代や30代はアニメに触れる機会が少なかったからなのかなぁ、と。
アニメの海外展開などの研究もされている文化人類学者の白石さや教授が、著書「グローバル化した日本のマンガとアニメ (学術叢書)」で、「漫画を楽しむためにはマンガ・リテラシー(マンガ特有の文法、視覚的語彙や語句、ひいては熟語や慣用句にあたるもの、コマの縮小の仕方まで含めたマンガの読解力)が必要」という事を書いていらっしゃったのですが、アニメを楽しむのにも同様のリテラシーが必要だとすると、
やはりどれだけの人が、幼い時にアニメに親しむ機会があったかが、その国のアニメファンの世代構成を決めるのかもしれません。

Q2 gender男女比グラフからうかがえる圧倒的女性率!
もっとも、これには少し誤謬があるかもしれなくて、自分達はアンケートを、私達のブースに立ち寄ってくれた人相手に行ったのですが、自分達が今回ブースでやっていた企画がなんといってもネイルアートとBL同人誌販売とかなので、どうしてもそこに興味を持って足を止めてくれる人、となると女性が多くなってしまった、というのはありえます。
実感としては、イベント全体の参加者の男女比は1:1、Artist Alleyで自作の作品を売っていたアーティストの人達は、女性の方が多かった印象でした。

nationality

国籍は一番多いのが実はフィリピン。出稼ぎ労働者の方の子供さん達でしょう。
それから勿論UAE出身の方々。インドやパキスタン出身の方も出稼ぎ労働者の子供さんですね。
他に多いのは隣国サウジアラビアやクウェート出身の参加者。更に数字としては小さいですが、シリアやイラク、ソマリアにスーダン出身の参加者もいて、本当に多国籍、多様な人々が同じコンテンツを愛し集っているのだということに驚きました。

residential area現住地を見ると、圧倒的にUAE国内からの参加者が多くて、10%程が隣国からの参加者であることが分かります。(上の国籍グラフはあくまで出身国、このグラフは、移住などで「現在」住んでいる地域を示しています。)
隣国サウジからドバイまでは、2~3時間で着くそうなので、東京から大阪に来るくらいの感覚でイベントに参加されているのでしょうね。

 

profession

職業に関しての回答が非常に興味深かったです。
参加者の年齢層からしても半分近くが学生さんなのは勿論なのですが、すでに職を持っていらっしゃる方は、グラフィックデザイナーとか、マルチメディアプランナー、インテリアデザイナーからイベントプランナーまで、クリエイティブ職への偏りが見られました。
上のグラフは頻出していた職業のみ抜粋したのですが、これ以外に、イラストレーターだとか、ブロガー、カメラマン、などを職業として挙げて下さる方もいらっしゃいました。(キャビンアテンダントさんや、消防士、なんて方もいらっしゃいました!)

mother tongue

母語は一応アラビア語が優勢ですが、基本UAEの方は皆さんアラビア語だけでなく英語も完璧に話せます。
アンケートでも、母語はアラビア語、と回答した横に(英語)と書いて下さる方がほとんどでした。

続いて、アニメ関連の質問です。

favorite title好きな作品として挙げられたタイトルとしては、
NARUTOが一番多かったのですが、これまた、我々がNARUTOのコスをしていたので、回答者が気をつかってしまった恐れはあります。
なのでそれ以外で見てみると、進撃の巨人、ワンピース、ワンパンマン、東京喰種、ハガレン、黒子のバスケ、ハイキュー!などが好きな作品名としてよく挙げられていました。Fairy Tailやデスノート、H×Hもそれに次ぐ人気。
このグラフに現れないようなコアな少数意見を書いて下さる方もいたのですが(月刊少女野崎くんや、やはり俺の青春ラブコメは間違っている、など)、全体としてみると、いわゆる王道作品に偏る傾向が見られました。

欧米でも、進撃の巨人やワンパンマン、東京喰種はとても高い人気を誇っています。特にグール!
この作品の国外での人気の高さは私もはじめ不思議に思ったのですが、どうやら海外では、グールとかゾンビとか、そうした存在が出て来る作品の人気が出やすいようです。

ファンアートとしておそ松さんは会場で多く見かけたのですが、好きなアニメとして挙げる人はいませんでした。
刀剣乱舞なども同様。
ドバイのアニメファンの方々は、トレンドに敏感だけれども、自分の好みとなると、いわゆる「古き良き王道アニメ(進撃の巨人、ハガレン、NARUTOなど)」を、芯としてしっかりと持っている印象でした。

私が一点気になったのは、アンケート結果におけるエヴァンゲリオンやPsyco-passといった作品の不在です。
日本やアメリカだと、こうした、どちらかというとシリアスな作品を好きなタイトルとして挙げるオタクが多いのですが、ドバイでは、これらの作品を挙げる人が全くいませんでした。辛うじて一人、Ghost in the Shell……攻殻機動隊を挙げる人がいましたが、その方も元は欧米出身でドバイに移り住んで来た方でした。ジブリや、細田守作品を挙げる人がほとんどいなかったのも意外。
欧米では、アニメやマンガを、アカデミックな視点から見たり、分析するファンが多い(実際アメリカのアニメイベントでは、アニメを歴史的観点から分析するワークショップ等が開かれたりしています)のですが、中東では、比較的純粋なエンターテインメントとしてアニメを見る人が多いのかもしれませんね。勿論、統計に表れたものから一概にこうだと総括する事は出来ないのですが!

あと、明らかに腐女子というか、女オタクだと思われる方も数名いて、そういった方は、ことごとく「だよね〜〜〜」と頷ける作品名を一人で何タイトルも答えてくれました。たとえば、「黒バス、ハイキュー、Free!、黒執事、Loveless」など。だよね〜〜〜!

manga or anime

漫画とアニメ、どちらが好きですか?という質問もしてみました。
どちらも好き、という意見も多いですが、アニメの方が人気が高いですね。
その理由としては大きく分けてふたつで、
①矢張り動きや声があるのがいい、というのと、②単純に分かりやすいから。
一方、数字としては少数派ですが、漫画の方が好き、という方には熱烈なファンが多く、
漫画を選好する理由として、
①漫画とは即ち芸術である、とか、②アニメでは割かれるエピソードも読めるから、③より最新の話が読めるから、などと答えた方が多かったです。

website to watch anime

アニメ視聴に使うサイトは、実にバラエティ豊かですが、その中でも突出していたのが、KissAnimeとgogoanime、Crunchyroll。
いずれも英語のサイトです。前者二つは海賊版サイト、最後の一つは、公式にライセンスを取ったアニメを放送しています。
またグラフには現れていませんが、アラビア語のサイトであるokanimeを使う、という方もちらほらいました。

website to get anime infoアニメ情報を得ているサイト、これも主に英語サイトが多かったです。

先程アニメ視聴に使うと答えた人も多かった「Crunchyroll」や「Kissanime」、「Gogoanime」の他に、
アニメニュースに特化したサイト、「Anime News Network」の人気が断トツでした。

なお、漫画をどこで読んでいるかについては、アンケートでは聞かなかったのですが、現地で友達になった腐女子さんに直接聞いてみたところ、Manga Rockというサイトで漫画を読む事が多いとのことでした。BL含め概ねどのジャンルの漫画もあるようです。
(ちなみに、BLはコミックとしては一般に売られておらず、オンラインで買うか、または日本から輸入しているブローカーから買う場合が多いそうです。)

全体として、中東のアニメファンのオンラインでのコミュニティは、使用しているサイトからみても、中東だけで孤立しているというより、他の英語圏である欧米と一致していると考えていいでしょう。

expense on animeアニメ関連の支出額には、大きく分けて二つの山が。
約1000円〜3000円の小額消費者、そして6000円以上の高額消費者。
高額消費者の方は、月2万円をアニメ関連に使うといった回答の方が結構多くいる事に驚きました。さすがドバイ。

そして気になっていた質問がこれ。
「あなたの周りの人は、アニメや、あなたがアニメ好きである事に対して、どのような反応を示していますか?宗教的な問題等はありますか?」

これに関しては、ほとんどが「宗教的には問題が無い。家族の者は、特に嫌な顔をしない。アニメファンの友達も周囲に沢山いる」というポジティブな回答で、時折、「友達や両親から、子供っぽいと思われている」といったネガティブなものが混じる結果になりました。イベント参加者への聞き込みでは、家族が寛容なところが半分、非寛容なところが半分という印象。

いくつかの回答を抜粋。
「My parents know I love watch anime . Thankfully, they are Ok with that. Yes, my friends are fan of anime.」
My parents support me and helped me learn Japanese in tokyo but my friends think its childish.
「My mom knows but she is quite angry but it’s ok.」
「No religion problem, but my parents think for kids.」

回答からうかがえるのは、「あまりいい印象を持っていない」場合にも、そこには特に宗教的な背景は無いということです。
多くの場合、「アニメ=子供のもの」という偏見が、悪印象の原因のよう。
多国籍国家であるドバイが特にそういったことに寛容というのもあるかもしれませんが、周囲の環境からの理解度は、宗教や国籍によって一般化出来るものではないのかもしれません。

anime friends何人位アニメ友達がいますか?という質問に対しては、10人以上いる、と答える人が多かったです。
アニメはどこでも友達作りの最良の手段ですからね!アニメ好きが周りにいない、と答えたのは有効回答の中では3人だけでした。

Q19. 日本発のもの以外で流行っているコンテンツはありますか?

何人かがK-POPやアメリカンコミック、と答えてくれましたが、それ以外にはあまり出てきませんでした。コンテンツの幅を回答者がどう答えたかにもよりますが、少なくとも日本と類似のコンテンツで目立って流行っているものは無いようです。

otaku ageアニメファンになった年齢を聞くと、大抵が15歳以下、と答えました。やはり幼いうちにアニメに触れた方が多いですね!
そのきっかけについては、「友達や兄弟に勧められて」「TVで見て」という意見が多く見られました。
anime activity 複数選択式で答えてもらいました。
アニメを見る、漫画を読む以外には、漫画を描く、アニメイベントに行く、カラオケ、などが人気のアクティビティでした。
あと、コスプレと同じくらい「ダンス」という答えが多かった事に驚きました。
私自身大学ではコスプレダンスのサークルに入っているのですが、本当に、どこの国でもオタクとダンスの親和性は高いのですね!
全体回答者数は130人でしたが、この設問を飛ばしていた方もいたので、
この設問の回答者数が、「アニメを見る」と答えた61人だとすると、何かしらのクリエイティブな活動をされている方が多いことが実感出来ます。Compose music=作曲、write fanfiction=同人小説執筆、も10人超えと、相当数いますね。

Q. 知っている日本のアニメイベントはありますか?
Q. 日本を訪れた際にやってみたいことはありあすか?

アンケートの最後では、日本国内で知っているアニメイベントはあるか、日本を訪れた際に行きたい場所や、やりたいことはあるかなど、自由記述でインバウンドに関わる質問をしたのですが、実はこれに対して明確な回答をしてくれた回答者はほとんどいませんでした。

コミケ等の日本のイベントは知名度も高いのかと思っていたのですが、実際にはコミケ、Anime Japan、ニコニコ超会議の名を挙げた回答者が各一名いただけで、それ以外の方は全く知らない、との回答でした。

日本でしたい観光アクティビティや訪れたい場所についても、回答してくれた方が書くのは大抵「お花見」や「富士山」で、典型的な日本のイメージを越える、より具体的なイメージは描けていないようでした。
これは少し残念。
聖地巡礼などを組み込んだツアーを、各旅行会社などが企画しては、最少催行人数に満たず企画倒れした、ということをたまに聞くのですが、アニメオタクといえども、具体的な日本の観光プランが頭に描けていない人が多いことが原因としてあるのかもしれません。
あるいは逆に、日本サイドが、海外に日本観光を売り込む際に、「Hanami」「Fujiyama」といった典型的日本像をアピールし過ぎているのかもしれませんね。日本人に、たとえば「ドバイ行って何したい?」と聞かれたら、「リゾート」としか答えようがないでしょうし。
アニメファンに対しては、もっと普通の、「アニメで見たような、日本での日常」を、観光プランとしても積極的に売り込んでもいいのかも?

⑤中東とアニメの未来図

以上、イベントの様子と、その参加者像を見て来たわけですが、実際に参加してみた私の感想としては、
ドバイのアニメオタクは、想像以上に、極めて「普通」。極めて日本人的。
信じる宗教や纏うものが違っていても、愛好する内容や、それにかける熱量は日本と大差無い。
日本的というよりも、正確に言えば、以下の点において、ドバイのファンはアメリカのファンと、とても似ていると感じました。

  • アニメ視聴・情報収集に使うのが英語のウェブサイト(CrunchyrollやAnimeNewsNetwork)
  • コスプレの二極化傾向(ハイクオリティなものとカジュアルなもの)
  • アメコミファンとのオーバーラップ(Marvel作品の人気)

これから日本のコンテンツ企業は、中東のアニメ市場とどのように関わっていけばいいのでしょうか?
自分なりに考えてみたのですが、たとえばアラブ首長国連邦UAEを、中東・アフリカ市場進出の橋頭堡としてみるのはどうでしょう。
理由としては、
・言語が英語である事、イスラム圏でありながらコンテンツに対して寛容な事から、米国向けのものをそのまま輸出すればよく、ローカライズにかかるコストが低い。
・アニメを愛好する層の所得が比較的高いと考えられ、ファンの購買意欲も高い。
・現地の物価自体が高いため、輸送費等で現地販売価格が膨らんでも、現地のファンの許容範囲内の価格帯に収まる。
・UAEは様々な国からの出稼ぎ労働者から構成されており、また周辺の中東諸国からの来訪者も多い。彼等を取り込む事で、そのオリジンとなる国への影響力拡大も見込める。
など。
現地で別のアニメ関連イベントを開催している団体も、日本企業の呼び込みに非常に積極的でした!

⑥ドバイの町中で見つけた「漫画寿司」!?

最後に、コミコンの外、ドバイの町中で見つけたアニメ関連のお店についておまけ話を。
ドバイ最大級のショッピングモール、「ドバイモール」。

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ドバイモールにある、世界最大の噴水

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ドバイモールにある、(元)世界最大の水槽

この商業施設の中には、紀伊国屋やセガのゲームセンター、そして「Manga Sushi」という、日本の漫画にインスパイアされたレストランが入っています。

ドバイの紀伊国屋

紀伊国屋では、涼宮ハルヒシリーズなど、制服や露出の多いメイド服姿のキャラクターが表紙の作品等も普通に売られていました。しかし主に少年漫画と少女漫画で、青年向けとBLは扱っていませんでした。(ただし雑誌のコーナーへ行くと、B’s LOGなどのBL雑誌が置いてありました。)

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ハルヒ漫画

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画集等が置かれた棚には、「OTAKU」の文字が

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紀伊国屋で売られていたアニメグッズ

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紀伊国屋で売られていたB’s LOGの雑誌

セガへは時間の都合で行けなかったのですが、「Manga Sushi」には行ってみました!

Manga Sushi

ここは漫画のキャラクターを冠したメニューを扱い、内装もキャラクターが描かれていたりする店。

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Manga Sushi内装

店員さんは結構制服姿。でもなんか……着ただけ、という感じ^^;
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これがメニュー。デスノート(笑)
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メニューのはじめにはマンガチックなイラストが

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Manga Sushiのメニュー内容。右列上から二番目、Go Nagaiって……!

 

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ドリンクメニュー。キャラクター名があったら地名があったり、なんでもありだなもう!

Gucciやブルガリと軒を並べているだけあってかなり高い!巻寿司三個(しかもかっぱ巻くらいの大きさ)で36Dh(=1000円)。ぶっちゃけぼったくりである。

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「The Dragonball」を注文してみた。3ロール、これで1000円……ちょっと、over budgetでした……。

しかもちょーっと中途半端なんですよね。アジア系の店員さんは日本語で挨拶してくれますが、勤務態度は適当。
メニューで、「これは何の漫画由来のものですか」、と聞いても、「知らない。オーナーが好きな漫画からとってつけたんじゃないの?」とすげない。

店内も、ぱっと見高級料理店なのに、あちらこちらに素人が描いたような漫画のキャラクターが描いてあって統一感に欠けています。
どうせやるなら、びっしりと漫画で埋め尽くして店員にも漫画の知識を浸透させるか、あるいはただの高級寿司店にするべきだったと思うのですけど。

とまぁ、あまりオススメとは言い難いMANGA SUSHIでしたが、こういうものが堂々と高級ショッピングモールに出店出来てしまう程にはドバイでは漫画が許容されている、ということで!

最後に……

今回ドバイのコミコンに参加してみて、これまで宗教という、社会の枠組みとして捉えていたものが、すぅっとその人自身の在り方、という個人単位に吸収される感覚がありました。
私、異文化理解には二段階あると思っていて
一つ目の段階は、相手は同じ喜び悲しみを分かち合う、一個人=人間であるという理解(個人理解)、
二つ目の段階は、相手の異なる人間観や社会観への理解(背景理解)。
普通はこの逆で、まず異なる文化自体を学び、徐々にその垣根を越えて対等な人間同士として友達になる、と考えるのかもしれませんが、
自分は、まず相手と同じレベルに立って、そこから足し算引き算のようにして、違う部分を理解していくのが真の異文化理解だと思っています。
おそらく、私が魔法の言葉「I love anime」により、一瞬で相手と同じオタクという座標に立てるからかもしれません。
なんと言いますか、文化ありきでの個人を理解するのではなく、個人ありきで、その人の中に内在する異文化を受け入れる、という感覚です。
今回のドバイ訪問では、沢山の中東のオタクの皆と友達になったことで、私はこの第一段階をクリアして、第二段階に少し足を踏み入れられたかな、と思います。

これからも、中東のファンと日本のアニメ漫画界が、もっと相互に交流出来るような環境を作ってゆけたらいいな。

ではでは、長くなりましたがドバイは一旦これまで。
次はポルトガルのアニメイベント編です^^

6月は関わっている世界コスプレサミットの仕事や、趣味のコスプレスタジオ撮影、それから同人誌の執筆予定に同人業界企業さんのお手伝いの仕事なんかもあって、瀕死の予感だ〜〜〜(嬉しい悲鳴)!

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